断食ダイエットをすると逆に身体は溜め込もうとします

食事の量を減らしているのに体重が減らない、そんな経験はないでしょうか。あなたの意志に反して身体は常に危機感を抱いています。次にいつ食べ物が入ってくるのか、身体はいつも心配しています。飢餓に備えて栄養を溜め込もうとします。極端な断食ダイエットをすると、逆に太ることもあるようです。

人間の歴史は飢餓の歴史

人間の歴史は、飢餓との闘いの歴史です。如何にして食料を確保するか、これが常に至上命題でした。世界を見回しても、未だに飢餓で苦しむ人たちが少なくありません。

日本であっても食生活が改善されたのは、最近のことです。1970年代でも巷には栄養失調者が多くいました。食事メニューが代わっても、身体は急には変われません。これが昨今肥満者の増える理由です。

少ない栄養を溜め込もうとする

私たちの遺伝子には、栄養を溜めろ、そうした命令が刻まれています。特に日本人は糖分を蓄えやすい体質があるようです。そのため突然断食をすると、遺伝子が反応して、体内に入っている栄養を、排泄せず溜め込もうとします。

欧米系で肉中心の食生活に変わっても、和食が千年以上続いた日本人の体質は変わりません。日本人は貯金好き、これは身体の芯から染まっている体質なのかもしれません。

溜まった栄養は体脂肪として蓄えられる

若い間なら、新陳代謝が盛んなので溜まった脂肪もエネルギーとして分解されやすいでしょう。そもそも入ってきた栄養素が直ちに活動エネルギーになります。もちろん適度な運動をしていれば、食べても太ることはありません。

とはいえ食生活が豊かになる一方で情報網や交通機関が発達したので、日本人は動かなくなりました。そのため入ってきた栄養素を体脂肪として蓄えてしまいます。中年以降になると脂肪の分解力が衰えます。ちょっとした断食ダイエット程度では解消されません。

断食ダイエットは危険です

断食ダイエットをすると逆に太る危険もあります。次の飢餓に備えて蓄えようと身体が働くようにできているからです。生活習慣が変わっても、遺伝子に刻まれた日本人の体質は、簡単に変わらないのです。